ハウスメーカーと地元工務店、どっちの家づくりが私に合うか?

住宅会社選びのポイント!

こんにちは

「マイホーム計画お役立ちブログ」のtakaです。

週に一度更新することを目標としていましたが、さっそく守れず申し訳ありません。

書きたいことがたくさんあり、まとめるのに時間がかかってしまいました。

さて、私はハウスメーカーにて「木造住宅」の設計を仕事とする一級建築士です。

して以前は地元工務店にてモデルハウスの責任者を務めておりました。

家をつくる会社。ハウスメーカーと工務店。どっちに頼むべきか?

そんな工務店とハウスメーカーでの仕事を経験している私が、今回は、皆様のマイホーム計画の「パートナー」として、「ハウスメーカー」「工務店」のどちらを選ぶべきか、選択するうえでお役立ち出来る情報をお伝えいたします。

今回のブログ記事で皆様が得られる情報は・・・

  1. ハウスメーカーでの家づくりが合う人の特徴・工務店での家づくりが合う人の特徴
  2. ハウスメーカー・工務店を選ぶうえで余計なコストをかけない方法
  3. パートナー選択に後悔が生じた場合の解決例

以上となります。

それでは早速書き進めて参ります。

1,ハウスメーカーでの家づくりが合う人の特徴・工務店での家づくりが合う人の特徴

まず結論から申し上げますと、 

間取りに大きなこだわりがなく、シンプルに安定した失敗のない仕様で建てたい方は「ハウスメーカー」が良く、完全自由設計・オーダーメイドな唯一無二の家づくりをしたい方は「工務店」が良いと考えます。

【ハウスメーカーの家づくり】

私自身ハウスメーカーに勤務していてすごいと感じたことは、過去案件の失敗事例・成功事例の情報蓄積量です。

これは企業のスケールメリットからくるものですので、工務店では決して真似することができません。

この情報をもとに生み出される商品は、限りなく欠陥がなく、どんな人にも平均的に受け入れられる・・・

「万人受け」する失敗のない商品提案がハウスメーカーの売りです。

間取りに特別な奇抜さが必要なく、平均的な性能・設備仕様で、アフターメンテナンスも長く充実した家づくりができるのが「ハウスメーカー」です。

一生の資産に「安心感」「安定感」を求める方は「ハウスメーカー」での家づくりが良いと考えます。

次に、私自身がハウスメーカーで設計していて、工務店と違うなと感じたところは、「自社ブランド」確立のために生じた様々なルール・縛りです。

自由設計とは名ばかりで、「設計マニュアル」で多くのルールや禁止事項を設け、お客様の要望をかたちにするより、会社のルールを守って設計されることが求められます。

そのハウスメーカーらしい家づくりを演出するために、マニュアルで会社のコンセプトを崩さないようにしています。

そのため工務店時代にできた事が現在は提案できない・・・
そんなジレンマを抱えながら日々健闘しています。

ちなみに私が勤めるハウスメーカーの自社ルールを少しあげると、階段に隣接する吹き抜けやスキップフロアが積極的に提案できないのと、外壁に「ガルバリウム鋼板」を使うことが難しくなっています。

造作の提案や、自然素材のご提案も難しいです。

【工務店の家づくり】

工務店での家づくりの良さはルールに縛られずお客様のご希望に合わせて「オーダーメイド」できる事です。

さらにオーダーメイドしたとしても一般的にハウスメーカーよりも「安く」建てられることも特徴です。

例えば、皆様が「インスタグラム」で気に入った写真を私たちにご提示いただいて、材料から調べて同じようにご提案することができるのも、工務店のフットワークの軽さ・ルールによる縛りが少ないところからくるものです。

さらに多くの工務店では、スタッフ一人一人が複数の業務をかけもって担当します。

例えば過去の私の場合ですと、設計担当が土地探しをお手伝いし、住宅ローンのご相談も受け、契約前にラフプランもご提案することがございました。

人件費が抑えられる分、少額でも様々なサービスを受けることができます。

ちなみに一般的にハウスメーカーでは、ご契約後設計担当が登場することがほとんどですので、設計提案は契約金を支払ってからの「有料」となります。

工務店での家づくりが合うかたは、地元のスタッフと二人三脚で、じっくり時間をかけてオーダーメイドな家づくりをしたいと考えるかたです。

ネームバリューはないけれど、唯一無二の資産をつくりたいかたは、「工務店」での家づくりをオススメします。

次に私自身が過去に工務店で仕事をしてきて注意したほうが良いと考えることは、会社の「将来性」です。

大企業だから倒産することはなく、中小企業だから倒産リスクがあるというわけではございませんが、大企業の経営不振は様々な形で知る機会があっても、中小企業の経営状態は一般的に知ることができません。

例えば、大企業は「○○ハウス 決算」とGoogle検索すると情報が上がってくるのに対し、中小企業ですとほとんどあがってきません。

もし工務店が皆様のお住まいを工事している最中に、倒産してしまうようなことがあるとと本当に困りますので、「工務店での家づくり」を考える方は、ご契約前に「帝国データバンク」等のサービスを利用して、会社の財務状況を確認することをおススメします。

私も転職する際に、候補とする会社の情報を取りましたが、その中にはモデルハウスを新築して一見景気よさそうに見える会社も、実際には1年通して利益が出ていないだけでなく、自己資本の比率が低くて、利益減少の備えを取っていない会社もございました。

こういった財務情報は、1社あたり千円前後で取れますので、マイホーム計画の依頼先を選ぶうえで後悔しないためにも、かけるべき経費だと考えます。

2,ハウスメーカー・工務店を選ぶうえで余計なコストをかけない方法

皆様はハウスメーカー・工務店の情報を集めるために、どのような方法をとりますか?

定番は、各地域にある「総合展示場」とよばれる、複数の住宅会社のモデルハウスがまとまって位置する場所に足を運んで、実際に見学することが多いと考えます。

総合展示場は一日に複数の会社を見学することができますので、非常に効率よく住宅会社を検討することができますが、そもそも住宅会社の見学は、1社あたり2時間ほど時間を要しますので、体力を多く消費します。

せっかく時間を使って見学しても、「思った感じと違った」「コストが全然合わない」など、その後につながらなかったと感想を持つ方が多くいらっしゃるのも事実です。


そういうこともあり、貴重な時間を無駄にしないためにも近年、住宅会社の「紹介・事前マッチングサービス」が多く登場しております。

もしかしたらこの記事を読んでいただいている方の中にも、利用されたことがある方もいらっしゃるのでは?と考えます。

これらのサービスは、ショッピングモールなどにはいっている店舗へ足を運び、お客様専属のアドバイザーに希望の家づくりの条件を伝えて、お客様に合う住宅会社を紹介してもらいます。

情報収集だけでなく実際の見学のアポイント取りをしてくれたり、見学に行った後のお悩み相談や、時には、住宅会社への「お断り」も代行してくれたりします。

一つの会社に複数回見学に行くと、営業マンとの人間関係もできてきて、実際にその会社とは違う住宅会社に依頼した場合は、なかなか「お断り」の連絡もしにくいものです。

そういった誰もがなるべくならやりたくないことも代行してもらえるのはすごいサービスですよね!?

しかもこういったサービスは一般的にどんな方でも「無料」で利用でき、実際に住宅会社を決定したとしても、お金が一切かからないことが多いです。
お客様は・・・

・・・。

そうです!

うすうす皆様も感じているかもしれませんが、これらのサービスにかかる費用は基本的に、私たち「住宅会社」が負担しております。

このサービスを認知させるために行うTVCMなどの広告宣伝費、ショッピングモールにテナントを借りて運営しますので店舗家賃、皆様が相談するアドバイザーの給料・人件費、全てにお金がかかりますので、普通に考えると無報酬で運営することは当然できません。

これらの費用は一般的に、お客様がご契約締結した住宅会社が、請負金額の数%支払うことで成り立っております。
(仮に3000万円の請負契約で手数料が5%ですと、150万円このサービスに支払うことになります)

そのため住宅会社では、この数%の手数料を支払うために、サービスを経由して出会ったお客様は、それ以外のお客様と坪単価を区別してご提案することが多いです。

無論、どちらの坪単価が高くなるかは言うまでありませんよね?

もし余分な費用をかけずコストパフォーマンスよく建てたいと考える方は、自分で住宅会社にアポ取りして、選ばなかった会社はご自身でお断りの連絡を入れることをおススメします。

3,パートナー選択に後悔が生じた場合の解決例

ここでは工務店を選んだ場合の話をさせていただきます。

工務店を検討する際に、先にも述べた会社の「将来性」、つまり存続するかどうかは大変重要な問題です。

会社選定をするうえで、デザイン・性能・コストのほかに、建てた後の「アフターサービス」も重要な検討項目とされると考えます。

建てた会社がなくなってはアフターサービスを受けことができませんので、お引き渡し後会社が倒産した場合、会社選びの大きな後悔につながると考えます。

ちなみに私も以前勤めていた工務店で自宅を建て、現在その会社はありません。

当然定期点検を含むアフターメンテナンスを受けることができない状況となります。
(ちなみに築3年ほどです)

これから先、些細なことでも相談できる「住まいづくりパートナー」がいないのは不安かもしれませんが、私は気づきました!

「新築工事を請け負った会社でなくても、住まいの相談をできる会社はたくさんある」ということです。

例えば、週末自宅のポストにチラシが入ってくる「リフォーム会社」をはじめ、現在は「ホームセンター」や一部「家電量販店」もリフォーム工事を行っております。

私自身も今年、近所のホームセンターにお願いして、リビングのコンセント増設工事と照明の人感センサーへの交換工事を行いました。

コンセント3か所と照明器具2か所の工事で4万円ほどでしたので、新築時とそこまで費用が変わりませんでした。

私はこれからも困ったことがあったら近所のホームセンターに相談しようと考えましたし、そのおかげで、アフターサービスが受けられないという不安もなくなりました。

ちなみに新築した会社でアフターサービスを受ける場合もすべて「無料」というわけではありませんので、ある意味、「新築する」会社と「アフターメンテ」をする会社を切り離して考えてもよいのでは?とも感じています。

一例ではありますが、住んでからのことまで考えて会社選定したとしても、数十年先にその会社があるとは限りません。

大手ハウスメーカーでも100年超えて新築事業をやっている会社はありませんので、皆様が選んだどんな会社も、もしかしたら入居後数年でなくなってしまうかもしれません。

そうなった場合でもそれに代わる会社は数多くありますので、そこまで心配されなくても大丈夫ではと考えます。

ちなみに、建てている最中に会社がつぶれてしまうのはとても困りますので、それを防ぐためには、「完成保証制というものを利用しましょう。

こちらは、新築業者が倒産したとしても、工事を引き継ぐ業者を再度手配し、完成まで保証してくれる保険になります。

万が一に備えるためには、こういった「保険」を利用するのも一つと考えますので、ぜひご参考くださいませ。

大変長文になりましたが、今回のブログ記事はここまでです。

今回の内容が皆様のお住まいづくりに少しでもお役立ち出来たらうれしいです。

次回もよろしくお願いいたします。

マイホーム計画お役立ちブログ

作成者:taka

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