起きると困る...災害時への住宅の備え 3選!

こんにちは!

群馬県北群馬郡吉岡町の木造住宅専門設計事務所「マイホームプラン設計室」の神場(じんば)です。

当事務所は2022年7月に開業しました。

現在はハウスメーカーの外注設計士として日々お客様に設計提案をしております。

2022年3月16日に発生した福島県沖を震源とする地震により被害を受けられた地域の皆様に、心よりお見舞い申し上げます。

新築でもリフォームでも取り入れることが出来る情報をお伝えします


今回のような災害時に、私が建築士としてできる事は何か?と考えた場合、これまでの住まいづくりの経験を生かした「住宅の災害時への備え」を情報としてお伝えすることと考えました。

こちらのテーマでブログ記事を書かせていただきます。

家族を守る災害時への備え3選

以上となります。

それでは早速ご紹介いたします。

地震力への備え。耐震性能を守るための「制震」

「耐震等級」というワードをご存じでしょうか?

住宅の性能を示す(ランク付けする)指標として「性能評価」というものがございます。

その性能評価のひとつで「地震などに対する強さ(構造の安定)」を評価する項目の中に「耐震等級」というものがございます。

ちなみに「耐震等級」のほか「耐風等級」「耐積雪等級」などもございます。

話を戻して、1995年に発生した「阪神淡路大震災」の地震力をベースに考え、阪神淡路大震災級の地震力に耐えられる(倒壊や崩壊等しない)耐震性能が「耐震等級1」、その1.25倍の地震力に耐えられる(倒壊や崩壊等しない)性能が「耐震等級2」、1.5倍の地震力に耐えられる(倒壊や崩壊等しない)耐震性能が「耐震等級3」と位置付けられております。

「耐震等級1」は法律上最低の基準でして、一般的に震度5強程度の地震に対して建物が損傷しない(なんとか耐震性能を維持)、震度6強程度の地震に対しては建物が倒壊しないけど、そのまま住み続けるのは難しい、、、
そのような耐震性能の家と言われております。

それに対して「耐震等級3」は警察署や消防署など防災の拠点となる建築物相当の性能といわれることもございます。

とても耐震性能に優れ、地震に対して万全の備えと考えられそうですが、、、

耐震=震動に耐えているだけですので、短期間に地震力を何度の受けると、建物にダメージが蓄積されてしまう可能性がございます。

そのことが特に意識されるようになったきっかけが、2016年に発生した「熊本地震」です。

熊本地震では数日間に大きな地震が何度も発生し、建物に大きなダメージを与えました。

この地震の後、熊本で工務店を経営している社長と話をする機会をいただいたのですが、「熊本ではこの地震をきっかけに制震工法を標準採用するのが当たり前になった」とおっしゃっていました。

「制震工法」というのは、建物の主に1階部分に「ダンパー」を設置して、地震の揺れを吸収し建物のダメージを軽減させる工法になります。

私も自宅に採用しております。(私の自宅はダンパー式ではありませんが、、、)

私の自宅で採用した制震工法はこちら↓
https://www.ibrain.jp/tape_main.html

さらに熊本県のある工務店の社長が言った言葉で、私が設計者として印象に残っているのが、「耐力壁を守るための制震」です。

これらの制震工法は、建物の耐震性能を守るために必要なものとなります。

制震工法は安いもので30万円くらいから、高いものでも100万円以下(建物の大きさにより異なる)で採用できますので、地震保険に入るよりもおススメです。

ぜひご検討くださいませ。

停電時の備え。「太陽光発電設備」

電気が使えなかったとしても、基本的には生命の危機に陥ることは少ないと考えますが、、、

様々なものが電気を使って成り立っておりますので、かなり不便になってしまいます。

電力会社より電気の供給がストップしてしまった場合、自家発電しない限り電気を使えません。

そんな自家発電のためには「太陽光発電」が新築時に導入しやすい設備ではと考えます。

停電時、太陽光発電をしている住宅であれば、「パワーコンディショナー」という機械のスイッチを切り替えることで、太陽光発電した電気をパワーコンディショナー付属のコンセント等で使用することができます。

「パワーコンディショナー」

「パワーコンディショナー」は屋内設置タイプと屋外設置タイプがございます。

一般的に「屋内設置タイプ」であればパワーコンディショナー自体にコンセントが付属し、「屋外設置タイプ」であれば、任意の位置に「非常用コンセント」を設置することとなります。

パワーコンディショナー付属コンセント

もしパワーコンディショナーが屋外設置タイプで、任意の位置に非常用コンセントを設けるのであれば、オススメは「冷蔵庫」付近に設けることです。

災害時に「食」を守るためには、冷蔵庫が稼働することが重要です。

さらに「屋内設置タイプ」「屋外設置タイプ」どちらの場合でも「ポータブル蓄電池・ポータブル電源」を用意しておくと、非常用コンセントに蓄電池のACアダプターを差して充電することができます。

そうすることで、日中の発電した電気を「ポータブル電源」にためて、夜間に利用することができます。

家庭用の蓄電池と同じような使い方が出来ますが、大きな違いは、コンセントを利用しない照明器具などは利用できません。

しかし、蓄電池の利用方法が「災害時への備え」であれば、「太陽光発電+ポータブル電源」で同じようなことが出来つつ、費用も抑えることができます。

断水時の備え。「貯湯タンク式給湯機」

近年、ウォーターサーバーを利用したりペットボトルで水を購入する方が増えているようで、断水時の飲用水の確保が出来ている家庭が多いように感じます。
(ちなみに私の家庭はがっつり水道水を飲んでいますが、炭酸水を箱で確保しています)

そのため断水時には飲用以外の「生活用水」(トイレの排水や洗濯など)の確保が特に必要となります。

水を蓄えておくためには「水槽」「タンク」が必要になります。

例えばお風呂場の「浴槽」に毎日水をためておけば、断水時の備えになりますがあまり現実的でないと考えます。(浴室がずっと湿潤な状態となり、カビの発生も心配ですし)

では住宅設備でタンクを使うものは、、、

「貯湯タンク式給湯機(エコキュートなど)」が導入しやすい設備となります。

ここでは説明を続けやすくするために貯湯タンク式給湯機=エコキュートとしてご紹介いたします。

エコキュートは貯湯タンクに高温のお湯をためておいて、水道水を混ぜながら適切な温度に調整して使う設備になります。

そのため非常時にはタンクにたまっているお湯を直接取り出すことができます。

非常用取水栓

非常時に上の写真部分のホース部分から直接タンクの中のお湯を引き出すことができます。

お湯の温度が高温の場合もございますので注意が必要ですが、冷まして生活用水として十分利用できます。

ちなみにエコキュートの取扱説明書によると、タンクに溜まっているお湯を飲用として使うことは、衛生面を考え推奨されておりませんのでご注意ください。

さらに使える用途は限られますが、雨をためて使う「雨水タンク」などもございます。

まとめ

現在災害時に備えて「家庭用蓄電池」や「家庭用燃料電池」、電気自動車を住宅につなぐ「V2H」など様々な設備が住宅業界では提案されています。

もちろん上記の設備もとても優れたものですが、個人的にはオール電化+太陽光発電が一番導入しやすくコストパフォーマンスもよいシステムだと考えております。
(太陽光発電は光熱費を抑えつつ売電収入も得ることができますし、、、)

私の自宅もオール電化+太陽光発電ですが、ここまでのブログ記事でご紹介した通り、電気・水ともに確保が出来ますので、あとは食料を備蓄できるような間取り(要するに収納が多い)であれば、備えは十分と考えております。

以上となります。

今回のブログ記事が皆様のマイホーム計画に少しでもお役立ち出来たら嬉しいです。

次回もよろしくお願いいたします。

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